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示談 [ じだん ]

用語解説


【示談とは】

示談とは、裁判所を介さずに当事者同士の話し合いによってトラブルを解決する合意のことです。

一般的には交通事故や刑事事件、労働トラブルなどで用いられます。

合意が成立すると、被害者は示談金(賠償金)を受け取る代わりに、それ以上の法的請求権を放棄(清算条項の合意)するのが原則です。

退職時に会社側とハラスメントや未払い賃金を巡ってトラブルになり、早期解決のために示談を選択するケースもあります。

ただし、安易に示談書にサインすると、後から本来もらえるはずの金銭を請求できなくなるため、内容の精査が不可欠です。

【示談が退職給付金の受給額に与える影響】

会社とのトラブルについて示談を行う場合、その名目や合意内容が退職後の給付金受給に直接影響します。

例えば、ハラスメントによる不当な退職を理由とした示談金を受け取る際、離職票離職理由が「会社都合」ではなく「自己都合」として処理されてしまうと、失業手当(基本手当)の給付日数や給付制限期間が大きく変わります。

また、示談金の中に「賃金の未払い分」が含まれている場合、その金額が退職前の賃金日額の計算に反映されるか否かで、受給できる失業手当の日額が変わるため注意が必要です。

【退職時の金銭トラブルを安易な示談で済ませるリスク】

十分な知識がないまま会社提示の示談に応じると、本来受け取れるはずの退職給付金や各種手当を喪失するリスクがあります。

特に示談書に含まれる「今後、一切の債権債務関係がないことを確認する」という清算条項には注意が必要です。

この文言に合意してしまうと、後から未払い残業代や退職金の不足が発覚しても、追加請求が法的に不可能になります。

さらに、離職理由の書き換えを条件に含まれてしまうと、ハラスメントの事実があったにもかかわらず自己都合退職となり、給付金申請の優遇措置を受けられなくなります。

【適切な手続きを経ずに示談した結果、給付金額が激減した事例】

退職を強要されたAさんは、会社から「示談金として30万円を支払うので、円満な自己都合退職として処理させてほしい」と持ちかけられ、これに応じました。

しかし退職後、ハラスメントによる会社都合退職(特定受給資格者)であれば、失業手当が早期に長期間支給されるはずだったと判明します。

自己都合扱いとなったことで給付制限期間が発生し、総受給額で数十万円の損失となりました。

示談書にサインした後は、ハラスメントの事実を証明して離職理由を覆すことが極めて困難になった典型例です。

【給付金受給を損なわないための示談対策と相談方法】

会社から示談を提案された際は、その場でサインせず、まずは内容を持ち帰って専門家に相談することが鉄則です。

特に離職理由が「会社都合(特定受給資格者または特定理由資格者)」になることを示談の明確な条件として書面に明記させることが求められます。

また、示談金の名目が「解決金」なのか「退職金の加算」なのかによっても税金や給付金の扱いが変わるため、退職サポートラボなどの専門ノウハウを持つ窓口を活用し、自身の給付金受給権利を守る最適な合意書面の作成を目指べきです。

【ハラスメントによる退職で示談金交渉を行う際の影響】

職場でのパワハラセクハラを理由に退職する際、会社側が表沙汰になるのを防ぐために示談を求めてくることがあります。

この交渉は、退職後の生活を支える給付金受給手続きに大きな影響を及ぼします。

適切な交渉を行えば、ハラスメントの事実を会社が認めた書面(示談書)を残すことができ、これをハローワークに提出することで、離職票が自己都合になっていたとしても「特定受給資格者(会社都合と同等)」として認定され、給付制限なしで失業手当を受給できるようになります。

【ハラスメントの示談において事実関係を曖昧にする危険性】

会社側はブランドイメージや労基署からの指導を恐れ、「示談金は支払うが、ハラスメントの事実は認めない」「離職理由は一身上の都合とする」という条件を提示しがちです。

この条件を鵜呑みにして示談すると、退職後にハローワークで「ハラスメントによる退職」を主張しても、客観的な証拠(示談書での認定)がないため認められず、自己都合退職として扱われるリスクが高まります。

結果として、給付金の支給開始が数ヶ月遅れ、支給日数も最短の期間に短縮されてしまいます。

【ハラスメント被害を隠蔽する示談に応じ、給付制限を受けた事例】

Bさんは上司からの激しいパワハラにより精神的に追い詰められ、退職を余余儀なくされました。

会社は「解決金50万円を支払う代わり、パワハラの口外を禁止し、自己都合退職とする」という示談案を提示し、Bさんは早期解放を望んで署名しました。

その後、心身の傷が癒えぬまま失業手当を申請しましたが、示談書の口外禁止条項と自己都合の文面が障壁となり、ハローワークで被害を証明できず、2ヶ月の給付制限が発生して当面の生活費に窮することとなりました。

【ハラスメント退職時の示談を有利に進め給付金を確保する対策】

ハラスメントによる退職で示談交渉を行う場合は、示談金(解決金)の獲得だけでなく、労働環境に問題があったことを書面上で明記させることが最重要対策です。

具体的には、示談書の条項に「乙(会社)の労務管理上の不備を認め」といった文言を盛り込むか、離職理由を「会社都合」とすることを確約させます。

個人での交渉が難しい場合は、退職サポートラボのような退職専門の支援サービスに相談し、給付金申請時に有利となる証拠の残し方についてアドバイスを受けるのが賢明です。

【未払い残業代の示談が退職時の賃金日額に与える影響】

退職にあたり、過去の未払い残業代(割増賃金)について会社と示談を行うケースは非常に多く見られます。

この未払い残業代の清算は、退職後に支給される失業手当の金額に直結します。

失業手当の支給額(基本手当日額)は、退職前6ヶ月間に支払われた賃金の総額を基準に計算されるため、示談によって過去の残業代が「過去の各月の給与」として適切に修正・支給されれば、賃金日額が上昇し、結果として受け取れる給付金の総額も増加します。

【残業代示談で「一時金・解決金」として一括処理されるリスク】

未払い残業代の示談において、会社側から「残業の事実は認めないが、解決金(一時金)として一括でいくら支払う」という形式での合意を求められた場合は注意が必要です。

名目が「過去の労働の対価としての賃金」ではなく「解決金」や「慰謝料」などの一時金として処理されてしまうと、ハローワークでの賃金日額の計算(退職前6ヶ月の給与総額)に算入されないリスクが高まります。

これにより、本来得られるはずだった給付金の上乗せチャンスを逃すことになります。

【残業代の示談名目を誤り、失業手当の日額が増加しなかった事例】

給与明細上の残業代が明らかに少なかったCさんは、退職時に会社と交渉し、未払い分として40万円を受け取る示談を行いました。

しかし、示談書の作成時に名目を「円満退職に伴う和解金」と一括記載してしまいました。

退職後にハローワークで失業手当の手続きをした際、この40万円は過去の月給の修正(割増賃金)とは認められず、毎月の賃金総額は低いまま計算されました。

結果として、基本手当日額が本来より低い金額で確定してしまいました。

【残業代トラブル時の示談交渉における正しい対策と導線】

未払い残業代について示談する際は、合意書の中で「〇年〇月度〜〇年〇月度の時間外労働手当として清算する」というように、各月の賃金の修正であることを明確に文言化させることが重要です。

これにより、ハローワークに対しても退職前6ヶ月の賃金実態を正しく証明できます。

給付金の受給額を最大化するための書面作成や、会社側との文言調整に不安がある場合は、専門知識を持つ退職サポートラボに相談し、給付金申請を見据えた適切なアドバイスを仰ぐのが最適です。

【退職推奨(肩たたき)に応じる示談が離職区分に与える影響】

会社から退職推奨(いわゆる肩たたき)を受け、条件面について示談交渉を行う場合、この交渉結果が退職後の給付金手続きにおける「離職区分」を決定づけます。

退職推奨に応じる形での退職は、本来であれば「特定受給資格者(会社都合退職)」に分類され、失業手当を迅速かつ手厚く受け取ることができます。

示談交渉の中で、会社都合退職であることを明確にし、離職票の離職理由コードが正しく記載されるよう合意を取り付けることが、その後の生活安定に大きく影響します。

【退職推奨の示談で「自己都合退職」へ誘導されるリスク】

会社側は、退職推奨を行っているにもかかわらず、会社都合退職者を出すことで助成金が受給できなくなるなどのペナルティを避けるため、示談時に「退職届(一身上の都合による)」の提出を求めてくるリスクがあります。

「示談金を少し上乗せするから、自己都合退職にしてほしい」という甘い言葉に乗ってしまうと、ハローワークでは一転して自己都合扱いとなり、給付金の受給開始が遅れるだけでなく、総給付日数が大幅に減ってしまうという大きなリスクを背負うことになります。

【退職推奨の示談内容を誤り、給付金受給が大幅に遅れた事例】

Dさんは会社から業績悪化を理由に退職推奨を受け、特別退職金を受け取る内容の示談書を交わしました。

その際、会社から「手続きをスムーズにするため」と言われ、自己都合の退職届を提出してしまいました。

退職後、失業手当の申請に行きましたが、ハローワークでは自己都合と判断され、給付制限期間が設定されてしまいました。

特別退職金は得たものの、直近数ヶ月の現金収入が途絶え、結果としてトータルの経済的安心を損なう事例となりました。

【退職推奨時の示談交渉で損をしないための対策】

退職推奨に応じる示談の場では、会社が提出を求めてくる「一身上の都合」と書かれた退職届には絶対に署名捺印をしてはいけません。

示談書(合意退職書)の中に「本件退職は、乙(会社)の退職勧奨に基づくものであることを確認する」という一文を必ず入れさせることが決定的な対策となります。

退職給付金制度の仕組みを最大限に活かし、不利益を被らないようにするためにも、合意前に退職サポートラボのような専門のサポート機関に相談し、書面のチェックを受けることを強くお勧めします。

この用語の監修者

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                     いまいかずき

今井一貴

経営と現場の双方に寄り添った支援を行っています。制度を整えるだけでなく、実際に現場で無理なく運用できるかまで見据えた提案を大切にしています。

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