退職給付金のデメリットとは?仕組みや解決策についても徹底解説
給付金・手当
「今すぐ会社を辞めたい。けれど、辞めた後の生活費がどうしても不安だ……」
過酷な労働環境や人間関係に悩み、心身が限界に近い状態で立ち止まっている方は少なくありません。そんな中で目にする「退職給付金(社会保険給付金)で最大28ヶ月受給」という情報は、暗闇の中の光のように見えるはずです。
しかし、公的な制度である以上、そこには必ず「受給に伴うリスク」や「守らなければならないルール」が存在します。甘い言葉に誘われて安易に受給を始め、後から「こんなはずじゃなかった」と後悔することだけは避けなければなりません。
本記事では、退職給付金のデメリットを中心に、その仕組みやリスクを回避し、賢く心身を回復させるための具体的な解決策を徹底的に解説します。この記事が、あなたの未来を守るための確かな指針となれば幸いです。
退職給付金(社会保険給付金)制度の基礎知識と「最大28ヶ月」の仕組み
一般的に「退職給付金」という言葉は、企業から支払われる退職一時金を指すことが多いですが、現在注目されているのは「失業保険」と「社会保険(傷病手当金)」を組み合わせた公的な給付を指すケースがほとんどです。
この制度がなぜ「最大28ヶ月」という長期間の受給を可能にしているのか、まずはその構造を正しく理解しましょう。
失業保険とは何が違う?傷病手当金等を活用した受給の仕組み
通常の自己都合退職で受け取れる「失業保険(基本手当)」は、勤続年数にもよりますが、一般的には90日から150日程度です。一方、インターネット広告等で謳われる「最大28ヶ月」の根拠は、健康保険法に基づく「傷病手当金」にあります。
傷病手当金は、病気やケガ(適応障害やうつ状態などの精神疾患を含む)によって働くことが困難になった際、最長で1年6ヶ月間にわたり支給される手当です。この受給期間が終了した後に、雇用保険の基本手当(失業給付)を組み合わせることで、合計して2年以上の長期間、生活費のサポートを受けることが可能になります。
なぜ「怪しい」と言われるのか?サポート業界の実態と背景
「最大28ヶ月」という表現が疑念を抱かれやすい理由は、給付条件の厳しさと、一部の強引なコンサルティング業者の存在にあります。
傷病手当金は「医師の診断」と「就労不能であることの審査」をクリアしなければ受給できません。しかし、一部の業者は「誰でも必ずもらえる」といった誤解を与える表現を用い、高額な手数料を要求するトラブルも発生しています。制度自体は公的で正当なものですが、その利用を煽るビジネスモデルが介在することで、「怪しい」というイメージが定着してしまったという背景があります。
【引用元】
ハローワークインターネットサービス:基本手当についてhttps://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html
知っておくべき金銭面での3つのデメリットと実質的なコスト

給付金が振り込まれることで目先の通帳残高は増えますが、退職後には「会社員時代には意識しなかった支出」が次々と発生します。
受給を検討する際は、以下の3つの金銭的デメリットを考慮し、実質的な「手残り」をシミュレーションしておく必要があります。
1. 受給中も発生する「住民税」と「社会保険料」の支払い負担
最も注意すべきは、給付金自体は非課税であるものの、前年の所得に対して課される「住民税」の支払いは免除されない点です。退職後の翌年、数十万円単位の納付書が届き、給付金の多くが税金に消えてしまうという事態は珍しくありません。
また、健康保険も「任意継続」または「国民健康保険」への切り替えが必要です。会社負担がなくなるため、実質的な保険料負担は現役時の約2倍になるケースが多く、国民年金保険料の支払いも重くのしかかります。
| 項目 | 負担の内容と注意点 |
| 住民税 | 退職した翌年も、前年度の年収に応じた税額を納付する必要がある。 |
| 社会保険料 | 会社負担が消失するため、任意継続の場合は現役時の2倍の金額になる。 |
| 国民年金 | 毎月約1.7万円(令和6年度現在)の定額負担が発生する。 |
2. 将来もらえる「老齢年金」の受給額が減少する可能性
長期間の受給期間中は、厚生年金に加入していない状態になります。この期間、国民年金保険料のみを納める、あるいは免除申請を行った場合、将来受け取れる「老齢厚生年金」の額が、働き続けた場合と比べて減少します。
30代での数年間のブランクが将来の受給額に与える影響は、月額数千円程度かもしれませんが、生涯にわたって受け取る総額で見れば無視できない損失となります。これは「現在の安心を買うために、将来の資産を削っている」という側面があることを理解すべきです。
3. サポート会社へ支払う「高額なコンサルティング費用」の正体
自身ですべての手続きを行うのが不安な場合、サポート業者を利用することになりますが、その費用は決して安くありません。一般的には受給総額の10〜15%、あるいは30万円〜50万円といった固定報酬が発生します。
例えば、総額400万円の給付を受けられるとしても、手数料で60万円支払えば、前述の税金や保険料と合わせて、実質的な生活費として使える金額は大幅に目減りします。このコストを支払う価値が本当にあるのか、慎重な検討が求められます。
【引用元】
日本年金機構:公的年金制度の種類と加入する制度
https://www.nenkin.go.jp/service/seidozenpan/20140710.html
総務省:個人住民税
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_06.html
キャリア・生活面における2つの社会的リスクと注意点

金銭面以上に、働き盛りの世代にとって深刻なのは、目に見えない「社会的信頼」と「キャリアの連続性」への影響です。
休養が必要なほど疲弊している場合、休息は最優先事項ですが、以下の2点のリスクは必ず覚悟しておく必要があります。
1. 長期受給による「空白期間」が転職活動の書類選考に与える影響
再就職の際、企業の採用担当者が最も注視するのが履歴書の「空白期間」です。
1年、2年と仕事をしていない期間があると、採用側は「ストレス耐性に問題はないか」「仕事への意欲が低いのではないか」「実務スキルが錆びついているのではないか」といった懸念を抱きます。
特にIT業界などの変化が激しい職種では、1年以上のブランクは致命的になることもあります。「給付金があるからゆっくり休もう」という選択が、将来のキャリアの選択肢を狭めてしまうリスクがあるのです。
2. 離職中のクレジットカード作成や住宅ローン審査の難易度上昇
給付金はあくまで「手当」であり、金融機関からは「安定した労働による収入」とは認められません。そのため、受給期間中に新たにクレジットカードを申し込んだり、住宅ローンやオートローンを組んだりすることは極めて困難です。
将来的なライフイベントを控え、ローンを組む予定がある場合は、退職前に審査を通しておくなどの対策が必要ですが、無計画に離職すると、生活の基盤となる信用を一時的に失うことになります。
悪質な業者を回避する!信頼できるサポートサービスを見極める3条件
デメリットを理解した上で、自力での手続きが難しくサポートを必要とする場合、どのような基準で依頼先を選ぶべきでしょうか。
トラブルに巻き込まれ、精神的な負担をさらに増やさないために、以下の3つの基準を徹底して確認してください。
弁護士や社労士などの「法律の専門家」が監修・関与しているか
給付金の申請において、医師への書類依頼のアドバイスや、行政機関への法的な手続き代行が行えるのは、弁護士や社会保険労務士(社労士)といった国家資格者だけです。
資格を持たない単なる「コンサルタント」が具体的な指導を行うことは、非弁行為などの法令違反にあたる可能性があり、最悪の場合、受給者自身が不正受給の疑いをかけられるリスクも否定できません。
メリットだけでなく「受給できないリスク」を事前に説明しているか
傷病手当金は、あくまで医師の診察と保険組合の判断に基づきます。そのため、どんなに実績がある業者であっても「100%受給できる」とは断言できません。
信頼できるサービスは、無料相談の段階で「不支給になるケース」「審査に落ちた場合の対応」「発生するデメリット」を明確に伝え、読者の将来を第一に考えた提案をしてくれます。
料金体系が明確で追加費用の発生がない契約になっているか
契約後に「追加の相談料」や「書類作成料」として費用を上乗せしてくる業者が存在します。
- 成功報酬の正確なパーセンテージ
- 着手金の有無と返金規定
- 契約期間の制限
これらが書面(契約書)として提示され、納得できるまで説明を受けられるかどうかを確認してください。不明瞭な点があるうちは、絶対に契約してはいけません。
【引用元】
全国社会保険労務士会連合会:社労士の仕事
https://www.shakaihokenroumushi.jp/about/tabid/203/Default.aspx
デメリットを最小限に抑えて賢く制度を利用するための対策
これまで挙げたデメリットは、決して「制度を利用してはいけない」という理由ではありません。大切なのは、リスクを理解した上で、それを最小化する「対策」を講じることです。
再就職を成功させ、豊かな生活を取り戻すための3つの解決策を紹介します。
面接で「空白期間」をポジティブに伝えるための伝え方のコツ
空白期間を「ただの休み」と捉えられるのが最大のリスクです。転職活動では、この期間を「自身のキャリアを長期的に継続させるための、戦略的なメンテナンス期間」として定義し直しましょう。
「前職では貢献したいという思いが強く無理を重ねてしまったが、一度しっかり心身を整えることで、次は長期的に高いパフォーマンスを出せるコンディションを作った」と、前向きな回復と自己管理能力をアピールすることが重要です。
受給期間中にスキルアップや資格取得を並行すべき理由
就労不能の状態で重い学習は禁物ですが、回復に合わせて少しずつ知識をインプットすることは、空白期間の「正当な理由」になります。
「休養の傍ら、独学で最新の業界動向を学び、実務に関連する資格を取得した」という実績があれば、ブランクに対する企業側の不安を払拭できます。これは自己肯定感を維持し、社会復帰へのスムーズな足掛かりにもなります。
自分の勤続年数と年収から「本当の受給メリット」を計算する方法
受給を決める前に、必ず以下の「手残りシミュレーション」を行ってください。
- 想定受給総額(標準報酬日額の2/3 × 日数)を算出
- 確定申告等で戻る税金・支払う税金の差額を概算
- サポート費用(利用する場合)を差し引く
- 社会保険料の自己負担増を月数分差し引く
この計算で出た残額が、あなたの心身を癒すために見合う金額であれば、受給は有効な選択肢となります。数字を直視することで、漠然とした不安を「具体的な計画」へと変えることができます。
まとめ:退職給付金はリスクを理解した上での「心身の回復」には有効
退職給付金(社会保険給付金)には、金銭的な支出やキャリアへの影響など、確かにデメリットが存在します。しかし、限界を超えて働き続け、取り返しのつかないほど健康を損なってしまうことに比べれば、公的な制度を利用して得られる休息の時間は、何物にも代えがたい価値があります。
重要なのは、「楽をしてお金をもらう」という考え方ではなく、「心身を再建し、より良い未来へ踏み出すための投資」として制度を捉えることです。
デメリットを正しく恐れ、対策を講じた上で活用する。その主体的な決断こそが、あなたのこれからのキャリアと人生を守る最大の武器になります。まずは一度、自分の正確な受給条件と将来のコストを天秤にかけることから始めてみてください。
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