退職給付金28ヶ月受給の5ステップ|傷病手当金と失業保険の併用術
給付金・手当
「朝、目が覚めると動悸がして、会社に行くのが怖い……」
「今の環境から逃げ出したいけれど、貯金がない。辞めたら生活が立ち行かなくなるのが何より恐ろしい」
IT業界をはじめ、過酷な労働環境に身を置く方の多くが、このような限界を感じながらも「お金」の不安に縛り付けられています。そんな中、SNSやネット広告で見かける「退職後に最大28ヶ月分の給付金がもらえる」という言葉。あなたは「そんなうまい話があるのか?」「どうせ怪しい詐欺だろう」と疑念を抱いていないでしょうか。
結論から申し上げます。この「最大28ヶ月」という数字は、日本の公的制度である「傷病手当金」と「失業保険(基本手当)」を正しく組み合わせることで実現可能な、法に基づいた正当な受給期間です。
本記事では、退職支援・社会保険活用の具体的な仕組みから、失敗しないための申請5ステップ、さらには1日のズレで受給額がゼロになる「落とし穴」まで、忖度なしにすべて解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたは「お金のために心身を削り続ける」という選択肢以外の、新しい人生の再出発ルートを手に入れているはずです。
1. 退職給付金28ヶ月は本当に可能?知っておきたい「制度の正体」

「退職給付金28ヶ月」という言葉だけを聞くと、何か特別な裏技のように感じるかもしれません。しかし、その実態は厚生労働省が管轄する既存の制度を、ルールに則って順番に活用する手法に過ぎません。
ここでは、その具体的な内訳と、なぜこの制度があまり知られていないのかについて詳しく解説します。
SNSで話題の「28ヶ月」は詐欺ではなく法に基づいた公的制度
「28ヶ月分」という数字の根拠は、主に以下の2つの公的保険制度の合算です。
- 健康保険の「傷病手当金」:最大18ヶ月(1年6ヶ月)
- 雇用保険の「失業保険(基本手当)」:最大約10ヶ月(※条件による)
これらは、あなたが毎月の給与から決して安くない保険料を支払い続けてきたことで得られる「権利」です。民間企業が提供する「退職コンサルティング」などは、この申請をスムーズに行うためのサポートをしているに過ぎず、給付金自体は国や健康保険組合から支払われます。
傷病手当金(18ヶ月)と失業保険を組み合わせる具体的なスキーム
最大受給を実現するための鍵は、「受給する順番」にあります。
通常、退職してすぐに失業保険を申請すると、受給期間は数ヶ月で終わってしまいます。しかし、心身の不調で「今は働けない」という状態にある場合、まずは健康保険から「傷病手当金」を最大18ヶ月受け取ります。
その後、体調が回復し「働ける状態」になった段階で、初めてハローワークへ行き「失業保険」を申請します。この時、失業保険の受給期間を「延長」しておく手続き(受給期間延長申請)を事前に行うことで、傷病手当金の終了後に失業保険をフルで受け取ることが可能になるのです。
なぜ多くの人が知らないのか?会社が教えてくれない給付の仕組み
これほど手厚い制度がありながら、なぜ世に広まっていないのでしょうか。理由はシンプルです。
- 会社側に教えるメリットがない: 従業員に長く休まれる、あるいは退職後に給付を受けられると知られることは、会社にとって事務負担が増えるだけでメリットがありません。
- 制度が複雑すぎる: 健康保険法と雇用保険法という異なる法律を跨ぐため、役所の窓口でも「併用の全体像」を教えてくれることは稀です。
- 「不正受給」への恐怖心: 正しい知識がないため、「自分のような軽度のストレスで申請していいのか」と、自ら権利を放棄してしまう人が多いためです。
【引用元】
全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金について」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/
2. あなたが受給対象か確認する「4つの必須条件」
この制度は強力ですが、誰でも無条件に受け取れるわけではありません。特にITコンサルタントのように高い専門性を持つ方でも、事務的な条件を1つ見落とすだけで受給資格を失います。
あなたが対象となるかどうか、以下の4つのポイントをチェックしてください。
社会保険への加入期間:1年以上の継続加入がボーダーライン
最も重要なのが「社会保険(健康保険)」への加入期間です。
退職後に傷病手当金を受給し続ける(資格喪失後の継続給付)ためには、退職日までに継続して1年以上、社会保険の被保険者期間があることが絶対条件です。転職して間もない場合は注意が必要です。
心身の状態:適応障害やうつ症状など「働けない証明」の重要性
傷病手当金は「業務外の事由による病気やケガで、仕事に就くことができない状態(労務不能)」が対象です。
「動悸がする」「夜眠れない」「集中力が著しく低下している」といった症状があり、医師が「今の仕事は継続できない」と判断すれば、適応障害やうつ状態といった診断名で申請が可能になります。
通院実績:退職前にメンタルクリニックを受診すべき理由
ここが最大の落とし穴です。傷病手当金の受給資格を得るには、「在職中(退職前)」に医師の診察を受け、労務不能であるという証明をもらう必要があります。
退職した後に「実は在職中から辛かったんです」と病院へ行っても、過去に遡って証明をしてもらうことは非常に困難です。
年齢と退職理由:受給総額を左右する個別の判断基準
失業保険の受給日数(最大期間)は、退職時の年齢や雇用保険の加入期間、そして「自己都合」か「特定理由離職者」かによって大きく変わります。
病気やストレスによる退職の場合、「特定理由離職者」として認められれば、通常の自己都合退職よりも受給日数が増え、かつ給付制限期間(待機期間)なしで受給できる可能性があります。
| 条件項目 | 必要な内容 |
| 社会保険加入期間 | 退職日までに12ヶ月以上の継続加入 |
| 医師の診断 | 退職前に受診し「労務不能」の判断を得ていること |
| 退職時の状態 | 傷病手当金の待機期間(3日間)を在職中に消化していること |
| 保険料の支払い | 社会保険料を給与から天引きされている(厚生年金・健康保険) |
【引用元】
厚生労働省「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000135026.html
3. 退職給付金を最大28ヶ月受給するための「5つの申請ステップ」
仕組みと条件を理解したら、次は具体的なアクションです。退職前から退職後まで、正しい順番で進める必要があります。
「今すぐ辞めたい」という焦りがある時こそ、この5つのステップを冷静に踏んでください。
【ステップ1】退職を決める前にまずは専門医の診察を受ける
まずはメンタルクリニック(心療内科・精神科)を予約しましょう。
医師に今の状況(動悸、不眠、思考停止など)を正直に伝え、「仕事を続けるのが辛い」と相談してください。ここで医師から「休養が必要」との判断を得ることが、すべてのスタートラインです。
【ステップ2】会社へ提出する診断書と退職届の「正しい書き方」
医師の診断が出たら、会社に報告します。
この際、診断書を添えて「病気療養のため」という理由で退職、あるいは休職の手続きを進めます。「一身上の都合」とだけ書くと、後の失業保険の手続きで不利になる可能性があるため、医師の診断に基づいた理由であることを記録に残すことが大切です。
【ステップ3】健康保険組合へ傷病手当金の支給申請書を提出する
退職日が決まったら、健康保険組合へ申請書を提出します。
申請書には「本人記入欄」「会社記入欄」「医師記入欄」の3つがあります。特に退職後の継続給付を受けるためには、退職日当日に「出勤していないこと」が必須条件となります。
【ステップ4】退職後の期間満了に合わせてハローワークへ申請
傷病手当金の受給が始まったら、次にすべきはハローワークでの「受給期間延長申請」です。
本来、失業保険は退職から1年以内に受け取らなければなりませんが、病気で動けない場合は最大4年まで受給を先延ばしにできます。これにより、18ヶ月の傷病手当金が終わった後に、失業保険を受け取る権利を温存できます。
【ステップ5】受給期間中に守るべき「再就職活動」のルール
体調が回復し、失業保険の受給に切り替わったら、ハローワークで求職活動実績を作る必要があります。
この段階では「もう働ける状態であること」の医師の証明(就労可能証明書)が必要になります。焦らず、自分のペースで再就職先を探せるのがこの期間の最大のメリットです。
【引用元】
全国健康保険協会「傷病手当金 申請書の書き方」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r124/
4. 自力での申請は危険?知っておくべき「3つの落とし穴」とリスク

ここまで読んで「自分でもできそうだ」と感じたかもしれません。しかし、現実はそう甘くありません。この制度の申請は、わずかな不備で数百万円単位の損失に直結する「地雷原」のような側面があります。
特に注意すべき3つのリスクをあらかじめ知っておいてください。
書類の不備1つで受給額がゼロになる「申請ミスの恐怖」
傷病手当金の申請書は、1文字のミスや、会社側の記入漏れ、医師の所見との食い違いがあるだけで差し戻されます。
一度「受給不可」の判断が下されると、不服申し立て(審査請求)は可能ですが、非常に時間がかかり、その間の生活費が枯渇するリスクがあります。
退職のタイミングを1日間違えるだけで数百万の損失が出る理由
「退職日に挨拶のために少しだけ出社して、残務整理をした」
良かれと思ってしたこの行動が、傷病手当金の受給資格を完全に剥奪します。退職日に1分でも業務を行ったとみなされると、「労務不能ではない」と判断されるためです。このような「1日のズレ」が、その後の18ヶ月、28ヶ月という給付をすべて台無しにします。
会社や健保組合からの問い合わせに対する「正しい回答」
申請後、健康保険組合から内容確認の電話が入ることがあります。
ここで「たまに散歩に行っています」「家事はできています」といった何気ない回答が、「労働が可能」と解釈されるケースがあります。どのような回答が適切か、制度の趣旨を深く理解していないと、意図せず自分の首を絞めることになります。
5. 最短で給付金を受け取るために「今すぐやるべきこと」
「明日もあの会社に行かなければならないのか……」と絶望している時間は、もう終わりです。
あなたが心身を壊して使い捨てられる前に、まずは自分の身を守るための「数字」を確認しましょう。
再起のために取るべき最初のアクションは以下の3つです。
直近1年分の給与明細と社会保険証を準備する
まずは自分の「受給資格」と「想定受給額」を算出しましょう。
傷病手当金は、過去12ヶ月の標準報酬月額の平均の約3分の2が支給されます。給与明細があれば、自分が月にいくら受け取れるのか、具体的なシミュレーションが可能になります。
「今のまま働き続けるリスク」と「休養するメリット」を天秤にかける
無理をして働き続け、メンタルを完全に破壊してしまうと、再就職までに数年、あるいはそれ以上の時間を要することになります。
「今、制度を利用して1〜2年休むこと」は、決して逃げではありません。キャリアを長期的に維持するための「戦略的撤退」であると考えてください。
専門のコンサルティングサービスへ無料相談し、受給可否を判定する
この制度の申請は非常に複雑で、ミスが許されません。
もし自分で進めるのが不安なら、退職給付金の受給を専門にサポートしているサービスの無料相談を利用するのも一つの手です。彼らは「あなたが受給対象かどうか」を無料で診断してくれます。そこで確信を得てから動くのが、最もリスクの低い方法と言えるでしょう。
6. まとめ:退職給付金28ヶ月は人生を再起させるための「正当な権利」
「退職給付金28ヶ月」は、決して魔法でも詐欺でもありません。
あなたがこれまで、厳しい納期や人間関係に耐え、社会保険料を納め続けてきたからこそ行使できる**「セーフティネット」**です。
- 傷病手当金(18ヶ月)と失業保険(最大約10ヶ月)の組み合わせで28ヶ月は可能
- 退職前に病院を受診し、社会保険に1年以上入っていることが絶対条件
- 退職日の出勤など、1日のミスが受給資格を消滅させるリスクがある
「お金がないから辞められない」という呪縛を解く鍵は、すでにあなたの手の中にあります。
まずは今日、手元にある保険証を眺めてみてください。そこには、あなたが明日からの絶望を「希望」に変えるための権利が記されています。
まずは最初の一歩として、自分の標準報酬月額を確認し、受給額の概算を出してみることから始めてみませんか?
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