業務災害 [ ぎょうむさいがい ]
用語解説
業務災害とは、労働者が仕事中または業務に関連している状況で、事故・ケガ・病気などの被害を受けることを指す。
これは労働者災害補償保険法(労災保険)の対象となる災害のひとつで、業務との因果関係が認められる場合に補償が受けられる。
典型的な例としては、工場での機械操作中の事故、荷物の運搬による腰痛、接客中の転倒、長時間労働による過労や精神障害などがあり、肉体的な災害だけでなく、仕事によるメンタルヘルスの不調も業務災害に含まれることがある。
業務災害が認定されるためには、「業務遂行性(仕事として行っていたか)」と「業務起因性(仕事が原因か)」の2つがポイントになる。
仕事とは関係ない私的行為中のケガは原則として対象外だが、会社からの指示や業務上の必要性があれば、勤務時間外でも業務災害と認められる場合がある。
また、パワハラや過重労働が原因の精神障害についても、近年は認定事例が増えており、労働者の心身の安全配慮の重要性が高まっている。
業務災害が発生した場合、労働者は労災保険から治療費(療養補償給付)が全額補償されるほか、
休業が必要な期間には休業補償給付(原則給付基礎日額の60%+特別支給金20%)、
後遺障害が残った場合には障害補償給付など、さまざまな補償制度を受けることができる。
これらは企業の保険ではなく国の制度であり、会社の大小に関係なくすべての労働者が対象となる点が大きな特徴である。
会社には「安全配慮義務」があり、労働者が安全に働ける環境を整える責任がある。危険防止措置を怠ったり、過重労働を強いたりした場合、企業側の責任が問われることもある。
そのため、業務災害が起きた際には、企業は速やかに原因究明と再発防止策を講じる必要がある。
業務災害は、労働者の健康と生活に重大な影響を及ぼすため、労働者自身も無理を感じた時点で上司や産業医に相談することが大切である。制度を正しく理解し、適切な支援や補償を受けることで、安心して働き続けられる環境づくりにつながる。
